[原子力産業新聞] 2005年11月4日 第2306号 <3面> |
[米DOE] ユッカ施設を設計変更米エネルギー省(DOE)は10月25日、使用済み燃料を最終貯蔵するユッカマウンテン施設の設計を、許認可と運転を容易にするために変更すると発表、米原子力エネルギー協会(NEI)はこれを歓迎している(写真は同施設サイト)。 DOEは今回、各原子力発電所が使用済み燃料を、標準化されたキャニスターに詰めた上で、ユッカマウンテン施設に輸送するよう、仕様を変更。これによって、ユッカマウンテンで使用済み燃料集合体を取り出し、処分用パッケージに詰め直す施設と作業が不要になる。 同省は、この変更によって、建設に数十億ドルかかる数10万平方メートル規模の使用済み燃料取り扱い施設の許認可と建設、運転の必要がなくなるとし、ユッカマウンテン施設が「クリーンで汚染のない」施設となると強調している。 従来の計画では、各原子力発電所からユッカマウンテンに、使用済み燃料が様々なタイプの輸送用キャスクで運ばれて来た後、ユッカマウンテン施設で、燃料棒の酸化を防ぐため不活性雰囲気下において、総計7万トンの使用済み燃料を取り出し、1燃料集合体あたり4工程の作業を行うことになっていた。 民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)のゴラン局長代理は、「旧計画は複雑でNRC許認可取得上、不確定さを残すものだった」とし、新たな計画は設計、許認可、建設とも簡素化でき、労働者と公衆の安全性を強化できるとしている。 同局は今後、契約業者のベクテルSAICと詳細を詰め、DOEの購買諮問委員会に詳細を諮る予定だ。 NEIは、技術的な詳細がはっきりしないとしながらも、「概念変更を支持する」とし、「議会に対して、ユッカマウンテン計画を前進させる必要性を示す、前向きのメッセージになる可能性がある」として歓迎している。 |