[原子力産業新聞] 2005年11月17日 第2308号 <3面> |
[カーネギー国際核不拡散会議]機微技術の管理枠組みなど提言 エルバラダイ氏カーネギー国際核不拡散会議で、最初のキーノートスピーカーとして登壇したエルバラダイIAEA事務局長は、核不拡散と核軍縮の現状を計る「物差し」として、@保障措置A機微な原子力技術の管理B核物質防護C核不拡散約束の遵守――の4点を提示した。 保障措置については、「IAEA保障措置への支持によって計られる」としながらも、IAEAの保障措置の主目的は「信頼性の構築」だと強調。核拡散疑惑で信頼性が失われた場合には、追加議定書による追加査察をもってもそれを補うことは困難と、暗にイラン問題について言及。この場合には、さらなる「透明性確保のための追加手段」が必要になると指摘した。 ウラン濃縮、プルトニウム分離等の機微な原子力技術の管理については、@原子炉技術と核燃料の供給保証A濃縮、再処理技術を持たない国による5〜10年間のモラトリアムBバックエンド技術管理での多国間枠組み創設Cフロントエンド技術管理での多国間枠組み創設――などを提案。 エルバラダイ氏は、核不拡散約束への遵守を確実にするため、約束に違反した国への確実な対処方法を樹立しなければならないと強調した。同氏は北朝鮮のケースを例示、1992年と2003年に安全保障理事会に付託されたものの、ほとんど何の行動も取られなかったと指摘。安保理に対して、国際的な平和と安全保障を脅かす国に対しては、いかなる時でも断固として対処するよう求めた。 |