[原子力産業新聞] 2005年11月24日 第2309号 <1面>

[リサイクル燃料貯蔵株式会社] 久保新社長 「地元の企業」を強調

 東京電力と日本原子力発電は21日、青森県・むつ市に2010年までの操業開始を計画している使用済み燃料中間貯蔵施設の事業主体となる新会社、「リサイクル燃料貯蔵株式会社(RFS)」を同市に設立した。晴天に恵まれた21日午前10時半から、新会社の当面の社屋となるむつ市旭町の本社(元東京電力むつ調査所)で行われた設立式には久保誠取締役社長をはじめ、皷紀男東京電力常務、鈴木英昭日本原子力発電副社長らが出席。多数詰めかけた報道陣の前で新しい看板の除幕式を行うなどして、新会社の門出を祝った。

 神事に続き、新会社名の書かれた看板の除幕式などが行われたセレモニーでは、久保社長が「多くの方々のおかげをもって、発足の運びとなった」と述べ、関係者に感謝の意を表明。また「中間貯蔵施設は、わが国初の施設」とした上で、同社の行う事業の成否が、日本の核燃料政策の鍵を握っていると言っても過言ではないとして、「身の引き締まる思いだ」と、新会社に課せられた使命の重要さに言及した。

 RFSは、東電および原電の所有する原子力発電所から発生する使用済み燃料の中間貯蔵および管理などに関する事業主体として設立された新会社。資本金は30億円(東電・80%、原電・20%)、社員は45名でスタートする。

 なお新会社の発足にともない、東電の「むつ調査所」は21日付で廃止され、引き続き港湾対策などに関する地域対応を行う、東電「むつ事業所」が新たに設置されている。

 RFS設立記念セレモニー後に開かれた会見(=写真)で、久保社長は今後行われる国への事業許可申請に必要な詳細調査について、「準備が整ったので、(開始について)近々お知らせする」と述べ、間もなく施設建設予定地周辺において調査を開始する方針であることを明らかにした。

 同社長はまた、RFSの事業の推進にあたっては、安全確保を第1に「情報公開や品質保証体制の確立に努める」との基本方針を示すとともに、地元企業として、地元と一体となり地域社会の発展に取り組む方針を強調している。


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