[原子力産業新聞] 2005年11月24日 第2309号 <3面>

[米議会] 2006年度原子力予算承認

 米上・下両院評議員は8日、305億ドルの2006年度エネルギー・水資源開発歳出法案(HR2419)を承認した。このなかには、核拡散抵抗性のある再処理新技術の開発費なども含まれている。

 DOEの新規原子力発電所構想(原子力2010計画)向けの6600万ドルを含む2億2600万ドルを原子力研究開発に、5500万ドルを第四世代原子力発電所計画(うちの4000万ドルは次世代原子力発電所計画に、400万ドルは高温燃料加工技術の開発)に、8000万ドルを政府の先進的核燃料サイクル構想(AFCI)に充てている。

 同法案にはまた、放射性廃棄物管理計画向けの四億五千万ドルが含まれており、そのうち一億ドルは連邦放射性廃棄物基金から充当される。五千万ドルが「使用済み燃料統合リサイクル計画」に充てられる。

 原子力エネルギー協会の理事長兼CEOのボウマン氏によると、原子力業界は、この投資を歓迎しており、国家のエネルギー多様性および後世代のエネルギー安全保障に対する原子力の貢献を確実にし、上昇する電力需要を満たし、大気の品質を考慮し、不安定な地域からのエネルギー輸入への過剰依存をなくすのに役立つとしている。

 また、改良型で核拡散抵抗性のある再処理技術の研究開発に向けた新型燃料サイクル構想への投資は、ユッカマウンテン地層処分施設の必要性を否定するものではないが、使用済み核燃料の処分を負担の少ない、費用効果のあるものにする可能性があるという。

 議会はDOEに対し、商業用原子力発電所から出た使用済み燃料の再処理技術の開発を進め、遅くとも2007年度末までに好ましい技術を選定すること、またリサイクル技術計画を、2006年3月1日までに、上・下両院歳出委員会に提出することを求めた。

 また、ウラン在庫量削減のためにウランの転換・売却などの措置をDOEに許可した。さらに、商用規模の水素を生産する次世代原子力発電所で使用する高度技術の開発を行う原子力・水素構想には、2500万が充てられた。アイダホ国立研究所の新型原子炉・水素併給プロジェクトに必要な、水素生産高温分解プロセスの試験・評価に充てられる。


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