[原子力産業新聞] 2005年12月1日 第2310号 <1面>

[保安院] 日中韓で安全シンポ 3か国から100名が参加 安全確保での協力探る

 原子力安全・保安院は11月29日、都内で「日中韓原子力安全地域協力シンポジウム」を開催、日本、中国、韓国の規制行政庁、技術支援機関の他、国内電力・産業界から約100名が参加し、今後大幅な原子力発電の拡大が見込まれる北東アジア地域での安全確保に向けた協力のあり方を検討した。

 冒頭、広瀬研吉保安院長は、2020年頃に北東アジア地域の原子力発電は計120基1億2000万kWにも達し、北米、欧州と並ぶ規模になると述べた上で、原子力発電の安全確保に資する規制活動の向上に向けて、「互いの切磋琢磨の関係構築」が一層重要であるという認識を示した。

 3か国代表によるディスカッションでは、各国の原子力安全地域協力に関する考え方を披露、高経年化対策、人材育成、安全文化等での協力提案や、韓国からは現在国内に整備されつつある防災応急対策などについて意見があった。各国パネリストは皆、地域協力の重要性を述べ、「原子力安全の相互理解に向けてトップレベルでの定期的な交流が必要」と参加者の認識は一致した。

 保安院では、今回シンポジウムの結果を受けて、北東アジア地域での原子力安全協力を一層強化するよう取り組んでいくこととしている。


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