[原子力産業新聞] 2005年12月1日 第2310号 <3面>

[米国] 民主党、専門家の意見は分かれる

 米国の再処理路線への変更に対しては、民主党議員を中心に、現在の「放射性廃棄物基金」の枠組みを崩すものとの警戒や、環境影響や許認可への懸念の声が上がっている。

 また、このほど米ワシントンで開かれた「原子力研究基金」主催の会合で、専門家らは、再処理の長期的な利点について合意したものの、その進め方については合意に至らなかった。

 E・モニッツ元DOE副長官は、早期に使用済み燃料を原子炉サイトから連邦政府所有の施設に移す必要性を強調したが、再処理へ向けてあまり急激に動きすぎることは、新規原子力発電所の建設にとって大きなリスクになると主張した。

 アルゴンヌ国立研究所のP・フィンク氏は、使用済み燃料再処理の必要性を強調、米国が再処理のリーダーシップをとるべきだとする。一方、プリンストン大学のF・ヒッペル教授は、核不拡散リスクや技術的問題が解決するまでは、米国が再処理を進めるのを待つべきだとしている。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.