[原子力産業新聞] 2005年12月8日 第2311号 <1面>

[FNCA] 協力の重要性を確認 大臣級会合開く

 アジア原子力協力フォーラム(FNCA)の大臣級会合(=写真)が1日、椿山荘(東京・文京区)で開催、「人材養成に関する協力」、「科学技術と原子力」をテーマに討議が行われ、連携ネットワーク「アジア原子力教育訓練プログラム」の創設が合意されるなど、参加各国とも、アジア地域における原子力平和利用推進に向けて、一層の協力の重要性を確認し合った。

 FNCAは、原子力委員会の主催する日本、オーストラリア、中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの9か国による協力活動で、今回会合はそれら原子力担当閣僚クラスの集う政策対話の場であるが、このほどオブザーバーとしてバングラデシュが初参加、これまでのわが国との二国間協力の経験を多国間の枠組みによる協力に活かしていく意向を表明した。

 冒頭、日本を代表して松田岩夫・科学技術政策担当大臣は、経済分野で躍進が期待されるアジア地域において、エネルギー確保のみならず、地球温暖化問題の観点からも原子力利用が重要な役割を果たすことを強調し、加えて核不拡散体制の維持・強化のため、IAEA保障措置追加議定書の未締結国に対しその締結を呼びかけた。

 また、このほど合意された「アジア原子力教育訓練プログラム」は、昨年のベトナムからの提案を受け、基本構想されたもので、各国の持つ既存の教育訓練資源を活用し、人材育成の連携を図ろうというものだ。

 今後の具体的な進め方については、プロジェクト調整を行う3月の「コーディネーター会合」で、各国のニーズ、貢献の可能性を集約し議論していく。


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