[原子力産業新聞] 2005年12月8日 第2311号 <4面>

[運転速報] 11月利用率は74.5%へ2.9ポイント上昇 PWRは利用率84.8%に

 日本原子力産業会議の調べによると、国内原子力発電所の05年11月平均設備利用率は74.5%、同時間稼働率は71.8%で、前月からそれぞれ2.9ポイント、3.1ポイント上昇しているほか、PWRに限ってみると利用率は84.8%の高水準に達するなど、引き続き堅調な運転状況となっている。

 11月、全原子力発電所の発電電力量は252億8944万2000kWh、各発電プラントの稼働状況等は図表の通り。

 それによると、設備利用率100%以上となった発電炉は計35基、最高は105.2%を記録した関西電力の高浜2号機で、同1、3号機が順にこれに次いでいる。高浜2号機(=写真奥)はこれで月ごとの数値では9か月連続の首位となった。利用率が100%を超えるのは原子炉の定格熱出力一定運転で、海水低温から発電効率が上がることによるが、関西電力では既に美浜、高浜、大飯の各発電炉で電気出力上限約105〜111%の定格熱出力一定運転を行っており、年間平均2%程度の電力量増加だけでなく、関西の標準的家庭約77万世帯分のCO2排出削減にも貢献しているという。なお高浜2号機は、75年の運転開始からこの11月に30年を迎えた。

 同月中、定検により停止していた発電炉で運転を再開したのは、九州電力の玄海3号機の1基のみ、定検に伴い停止したのは、日本原子力発電の敦賀1号機、関西電力の高浜4号機の2基であった。また、運転停止に至るトラブルは見られなかった。


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