2005年 わが国と世界の原子力界の主な動き
1月
浜岡5が運開 東通1も初臨界
▽5日 原産が新年名刺交換会を開催、西澤原産会長、政府要人らが年頭挨拶 ▽18日 中部電力浜岡5号機が営業運転開始 ▽19日 青森県が使用済み燃料中間貯蔵施設「安全性チェック検討会」初会合 ▽24日 東北電力東通1号機が初臨界 ▽28日 中部電力が浜岡発電所の耐震裕度向上工事実施を発表
海外▽温家宝・中国首相が大亜湾発電所を視察し、原子力推進を指示(7日)▽中国CNNCが20年頃のFBR原型炉完成計画を表明(16日)▽ブッシュ米大統領が、エネ政策で原子力拡大の声明(20日)▽エルバラダイ事務局長が5年間の新規サイクル凍結を提案(29日)
2月
「もんじゅ」改造工事着手に地元了解
▽3日 三菱重工が伊方発電所で世界で初の上部・下部炉内構造物の一体取替え工事を完了したと発表 ▽4日 原産が03年度「原子力産業実態調査」をとりまとめ、公表 ▽5日 安全委が高松で「原子力安全シンポジウム」開催 ▽6日 中山文科相、「もんじゅ」について福井県知事と会談 ▽7日 福井県と敦賀市が「もんじゅ」改造工事着手を了解 ▽8日 文科省が米DOEと革新的原子力技術の研究開発協力で取決めを締結 ▽10日 保安院が九州電力玄海3号機プルサーマルを安全委へ諮問 ▽18日 バックエンド積立金法、改正原子炉等規制法(核物質防護対策、クリアランス制度、廃止措置)が閣議決定 ▽20日 九州電力が佐賀・玄海町でプルサーマル公開討論会開催 ▽23日 総合資エ調が「2030年のエネルギー需給展望」をとりまとめ ▽26日 OECD/NEAとIAEAによる安全管理ワークショップ開催(保安院、〜28日) ▽28日 中川経産相が原子力発電協力で中国に私信
海外▽米NRCがパキスタンと協議▽ブッシュ米大統領が演説で原子力推進を強調(2日)▽IAEAがエジプトの核疑惑に「シロ判定」▽京都議定書が発効(16日)▽NEI理事長にボウマン前海軍提督が就任(16日)▽米輸出入銀行が中国向けのWH社四基輸出に50億jの融資を承認(18日)▽フィンランド・オルキルオト3号機建設許可、同国で30余年ぶり(17日)▽IAEA専門家グループが核燃サイクル施設の国際管理化を提唱(22日)▽米NRCがWH社にAP1000の対中輸出許可(25日)
3月
関電、重工が美浜3事故再発防止策を
▽1日 関西電力と三菱重工が美浜3号機二次系配管破損事故で再発防止対策を保安院へ提出 ▽2日 安全委が電力4社と安全文化意見交換会実施(〜15日) ▽4日 原子力委が04年版原子力白書をとりまとめ、公表(閣議配布) ▽9日 IAEA、文科省、経産省の共催でセミナー開催(〜10日) ▽12日 安全委が仙台で「原子力安全シンポジウム」開催 ▽16日 エネ庁が原子力委新計画策定会議で2100年までのエネルギー需給見通しを説明 ▽28日 原燃が六ヶ所再処理施設の竣工時期を07年5月に変更 ▽30日 FNCAコーディネーター会合が開催(〜4月1日)▽エネ庁のアジア展開研究会がアジア諸国の原子力発電導入支援を掲げる報告をとりまとめ▽保安院が関西電力美浜3号機二次系配管破損事故最終報告を中川経産相に提出 ▽31日 経産省が05年度電力供給計画を発表、14年度までに運開する原子力は11基1472万kW
海外▽IAEAが原子力予測を上方修正、今後15年間で60基以上の運開▽IAEA理事会が北朝鮮の核兵器製造に警告する議長総括(3日)▽米NRCがカトーバ発電所のMOX使用許可、米国初(3日)▽キルギス他旧ソ連5か国が非核地帯条約締結を合意(4日)▽印タラプール4号機が初臨界、同国最大(6日)▽ブッシュ米大統領が包括エネ法案の成立を求める演説(9日)▽IAEA閣僚級会合が「21世紀のための原子力発電」声明(21日)▽パキスタン・ムシャラフ大統領が遠心分離機をIAEAに提出する考えを表明(24日)
4月
新潟で原産年次大会が開催
▽11日 原産「原子力国際展開懇話会」が原子力委新計画策定会議で提言 ▽13日 「日本原子力技術協会」が設立 ▽16日 電事連会長に勝俣恒久東電社長が就任 ▽18日 第38回原産年次大会が新潟で開催(〜21日) ▽19日 原燃が青森県、六ヶ所村とMOX加工工場で立地協定に調印 ▽20日 原燃が経産省へMOX加工許可申請、12年の竣工予定 ▽25日 青森県「原子力政策懇話会」が使用済み燃料中間貯蔵施設立地の議論を開始 ▽26日 安全委が関西電力美浜3号機二次系配管事故最終報告をとりまとめ▽経産省が中国電力島根3号機設置許可▽北陸電力志賀2号機が試運転開始
海外▽中国国防科学技術工業委員会が15年以内に原子力40基の建設計画を表明(6日)▽中国と南アが高温ガス炉で協力覚書に調印(10日)▽国連総会が核テロ防止条約を採択(13日)▽OECD/NEAが加盟国の発電コスト報告を発表、日本はコスト高(16日)▽ブッシュ米大統領が中国、印の原子力発電を推進すべきとの発言(19日)▽ブッシュ米大統領が包括エネルギー法案の早期通過を求む発言(20日)
5月
「もんじゅ」訴訟で国側勝訴が確定
▽10日 04年版原子力安全白書まとまる(閣議配布)▽安全委がリスク情報活用に関する国際ワークショップを開催(〜12日) ▽13日 バックエンド積立金法、改正原子炉等規制法が参院で可決、成立 ▽17日 原産が「我が国の原子力供給産業の現況と課題」をとりまとめ、公表 ▽26日 北陸電力志賀2号機が初臨界 ▽27日 04年度エネルギー白書公表(閣議決定) ▽30日 「もんじゅ」設置許可処分無効を求める行政訴訟で最高裁が国側勝訴の判決
海外▽NPT再検討会議が国連本部開催(2日)▽米ニュースタート・エナジー・ディベロップメント社がDOEと許認可申請協力覚書に署名(6日)▽米デューク・エナジーとシナジーが合併で合意、北米最大のエネ企業が誕生(9日)▽独オブリッヒハイム原子力発電所が段階的停止政策により閉鎖、2基目(11日)▽米NRCがファーリー1、2号機の運転延長を承認(12日)▽イランが原子力平和利用推進法案を可決(15日)▽英THORPで配管破断により硝酸溶液が漏洩、レベル3判定▽豪科学相が原子力もオプションとする発言(18日)▽韓・新古里1、2号機が着工(19日)▽スウェーデン・バーセベック2号機が閉鎖(31日)
6月
ITER建設地が仏・カダラッシュに
▽7日 文科省が量子ビーム研究開発・利用推進検討会を始動 ▽9日 IEAE運転管理チームによる東京電力柏崎刈羽4、6号機の評価報告が公表▽原燃使用済み燃料受入れ・貯蔵建屋内のバーナブルポイズン取扱いピットから出水(以降の調査で、当該箇所に計画外溶接が確認、改善活動に取り組む) ▽10日 05年版科学技術白書まとまる(閣議決定) ▽13日 与党議員連、経団連がITER誘致で決起大会 ▽16日 保安院が電源開発大間発電所設置を安全委へ諮問 ▽19日 三村青森県知事が使用済み燃料中間貯蔵施設で、県民との意見交換会開催 ▽24日 原産通常総会開催、来年度の新協会発足を了承 ▽28日 ITER六極閣僚級会合で、仏・カダラッシュを建設地とすることが合意 ▽29日 福島県が福島第一1号機の運転再開を了承(不祥事により02年11月以来停止)
海外▽印タラプール4号機が送電開始(4日)▽CNNCが100万kW級PWRの基本設計を明らかに(6日)▽IAEA理事会エルバラダイ事務局長を3選、同氏「保障措置・検証委員会」設置を表明(13日)▽米NEIが原子力世論調査結果を発表、70%が原子力を支持(20日)▽ブッシュ米大統領がカルバートクリフス発電所視察、原子力の重要性を強調(22日)▽米上院がエネルギー政策法案を大差で可決、4月の下院に続き(28日)▽米DOEが北京事務所開設で中国と合意(30日)
7月
総合エ調原子力部会が再開、サイクル、国際展開など審議
▽1日 保安院が美浜・敦賀・大飯・高浜の4検査官事務所を統括する「若狭地域原子力安全統括管理官」を新設 ▽8日 自民党エネ関連合同会議で原子力委他が新計画を説明 ▽12日 三菱重工がWH社買収の意向を表明 ▽13日 東京電力福島第一1号機が運転再開 ▽19日 総合資エ調原子力部会が再開、核燃料サイクル、国際関連について審議を、部会長は田中東大教授 ▽20日 総合資エ調が初総会開催、エネルギー情勢と政策動向の報告受ける ▽25日 関西電力が「原子力事業本部」を福井に移転 ▽27日 総合資エ調放射性廃棄物小委員会が始動 ▽28日 保安院が四国電力伊方3号機プルサーマルを安全委へ諮問 ▽30日 東北電力東通1号機が電気出力100%に到達
海外▽米NRCがアーカンソー・ニュークリア・ワン2号機の運転延長を認可▽英BNFLがWH社売却を表明(1日)▽IAEA核物質防護条約締約国会議が同改正案を採択(4日)▽G8サミットで声明、核拡散抵抗性の高い高度技術を(6日)▽米印が原子力技術の全面的協力で合意(18日)▽米DOEがIAEA国際管理構想に反対を表明、エネ産業を入れた新たな枠組み構築を強調(20日)▽米両院が「2005年エネルギー政策法」を採択、ブッシュ大統領の政策提唱から4年ぶり(26日)
8月
米・エネルギー政策法が成立
▽1日 文科省学術審議会原子力研究開発委が初会合 ▽2日 自民党が「わが国原子力の基本政策」をとりまとめ ▽8日 原研と高エネ研がJ−PARCで基本協力協定を締結 ▽9日 文科省がITER計画推進検討会を始動 ▽11日 原子力委が総合科技会議で「原子力政策大綱案」を説明 ▽12日 原産が総合科技会議にエネ・原子力分野の重点化を要望 ▽16日 東北電力女川1〜3号機が地震により自動停止 ▽18日 「原子力政策大綱案」意見交換会を国内5箇所で開催(〜26日) ▽24日 三菱重工が仏よりSG受注、国内初 ▽26日 原産「原子動力研究会」が40余年の歴史に幕 ▽31日 保安院が「実用発電用原子炉施設における高経年化対策の充実」をとりまとめ
海外▽IAEAがウィーンで原爆投下60年記念式典を開催(5日)▽ブッシュ米大統領がエネルギー政策法に署名(8日)▽孫勤CAEA主任が就任(9日)▽米サザン・ニュークリア・オペレーティング社が、来夏にもNRCへボーグルサイト新規原子力建設の許認可申請と表明(19日)▽米NRCがドナルド・C・クック1、2号機の運転延長を許可▽米GE社が150万kW級ESBWR設計認証のNRC申請を表明(30日)
9月
進展するプルサーマル計画
▽1日 サイクル機構「もんじゅ」が08年の再開目指し、改造工事着手 ▽2日 東北電力女川発電所の地震による自動停止で、一部に基準地震動を超えるデータが確認 ▽4日 福島県が都内で核燃料サイクルを考えるシンポ開催 ▽6日 06年度政府原子力関係経費概算要求額がまとまる(文科2853億円、経産1807億円) ▽7日 経産省が九州電力玄海3号機プルサーマルを認可 ▽8日 サイクル機構と電事連が「TRU廃棄物処分技術検討書」を発表 ▽12日 中国電力が島根2号機プルサーマル計画で、島根県と松江市に事前了解願いを提出 ▽13日 中部電力が浜岡4号機で10年度からのプルサーマル実施計画を発表 ▽15日 小泉首相が核テロ防止条約に署名 ▽16日 中国電力が山口県の指示により上関建設地の詳細調査を中断、県への説明と異なる方法のため ▽26日 原子力委が福岡で市民参加懇談会開催 ▽29日 文科省のITER計画推進検討会が「我が国で実施すべき幅広いアプローチのプロジェクト」とりまとめ、「国際核融合エネルギー研究センター」設置など
海外▽米NRCが新規許認可対応で改組(1日)▽6者協議で北朝鮮の核計画放棄が合意(2日)▽マレーシア科技相が、FNCA会談で原子力発電検討の意向を表明(10日)▽独議会選挙で原子力推進派過半数届かず(18日)▽IAEA総会開幕(26日)
10月
原子力機構発足 原子力政策大綱決定
▽1日 原研とサイクル機構が統合し「日本原子力研究開発機構」が発足、理事長に殿塚氏就任 ▽2日 経産省が佐賀・玄海町でプルサーマルシンポを開催 ▽3日 IAEAが東京で放射性廃棄物処分の安全性に関する国際会議を開催(〜7日) ▽5日 原子力委が静岡・御前崎市で市民参加懇談会開催 ▽11日 原子力委「原子力政策大綱」を決定▽経産省がバックエンド積立金法に基づき、資金管理法人に原環センターを指定 ▽14日 「原子力政策大綱」が閣議決定 ▽18日 原子力機構が都内で設立式典開催 ▽19日 電発大間の第二次公開ヒアリング開催▽東京電力と原電が青森県、むつ市と中間貯蔵施設に関する協定に調印 ▽25日 原子力委「超半減期放射性廃棄物処分技術検討会」を設置、TRU廃棄物処理・処分方策の検討開始 ▽26日 「原子力安全功労者」11名に経産相表彰▽総合資エ調原子力防災小委などで原災法の施行状況の検討が開始 ▽28日 「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画」が閣議決定(法律に基づく5年ごとの改定) ▽31日 第3次小泉改造内閣発足
海外▽IAEAとエルバラダイ事務局長にノーベル平和賞受賞決まる(7日)▽IAEAがノーベル賞金で途上国向け特別基金設置を決定(14日)▽IAEA理事会がイラン非難決議案を可決(24日)▽米がIAEA/INPROへの加盟を表明(26日)▽米コンステレーション・エナジー社が160万kW級米版EPRでNRC許認可申請を表明、候補はカルバートクリフス発電所サイトなど(27日)
11月
リサイクル燃料貯蔵会社が設立
▽1日 原子力委「今後の核融合研究開発の推進方策」を決定、第3段階計画における施策の明確化▽総合資エ調のもんじゅ安全性確認検討会が始動▽原燃が再処理施設ウラン試験報告書(その1)を保安院に提出 ▽7日 ITER機構長に池田要クロアチア大使が選出 ▽9日 政府主催原子力総合防災訓練が東京電力柏崎刈羽4号機を対象に実施▽原子力機構の幌延深地層研究センター地下施設工事が着工 ▽15日 総合資エ調「検査の在り方に関する検討会」が再開、定検間隔など議論 ▽18日 原燃が六ヶ所再処理施設のアクティブ試験の開始時期を05年12月から06年2月へ、竣工時期を07年5月から同7月へそれぞれ変更 ▽19日 中部電力が静岡・御前崎市でプルサーマル公開討論会を開催 ▽21日 使用済み燃料貯蔵・管理を行う「リサイクル燃料貯蔵(株)」が青森・むつ市に設立 ▽22日 柏崎刈羽1号機の原子炉設置許可処分取り消しを住民が求めた訴訟で、東京高裁がこれを棄却 ▽29日 総合資エ調の耐震・構造設計小委が女川発電所耐震性で初会合
海外▽韓・中低レベル処分場、住民投票で慶州に立地決定、08年の操業予定(3日)▽ボドマン米DOE長官が解体核高濃縮U20トンを燃料供給に充てる提案(7日)▽米議会が06年度原子力予算承認、再処理技術開発に5千万ドル(8日)▽キリエンコ元露首相が原子力庁長官に▽米NRCがフンボルトベイ発電所サイトに使用済み燃料貯蔵施設を認可(18日)▽COP11と京都議定書会合がカナダで開幕(28日)▽ブレア英首相が、来夏頃に新規原子力可否を含めたエネ政策を策定と表明(29日)
12月
東通1号機が運開 青森初の原子の火
▽1日 FNCA大臣級会合開催 ▽5日 保安院が関西電力美浜3号機の使用停止を解除▽IAEA放射性物質輸送安全評価サービスミッションが来日(〜16日) ▽6日 原子力委が「食品照射専門部会」を設置 ▽8日 東北電力東通1号機が運開、新規立地原子力は約12年ぶり
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