[原子力産業新聞] 2006年1月5日 第2313号 <10面>

[新刊抄] 「原子力を問う」を合冊化 原子力学会賞受賞の中国新聞連載記事

 中国新聞が2003年1月から2004年6月まで、32回にわたって連載し評判を取った「原子力を問う」のシリーズを、中国新聞社のデータ提供により合冊化したもの。

 中国新聞に連載された「原子力を問う」シリーズは、幅広く丹念な取材、冷静で公平な分析によって高い評価を得、「各国の原子力政策の背景にある政治状況やエネルギー事情などを踏まえ本質を突いたもの」として、2004年度の「日本原子力学会貢献賞」を受賞した。

 内容は、「欧米からの報告」、「アジア・アフリカからの報告」、「日本からの報告」、「未来の日本・未来の世界」のサブセクションに分かれる。

 「欧米からの報告」では、@ドイツの脱原発―全廃へ多難な道Aスウェーデンの全廃政策Bフィンランドの新設計画C米国の政策転換Dスイスの住民投票E先駆者・英国の選択F原発大国・フランスの課題――など、取材は欧米の広範囲に及ぶ。「アジア・アフリカからの報告」でも、韓国、ベトナム、南アフリカ、IAEA、フィリピン、中国、イラン――など、様々な状況下にある開発途上国の原子力開発の姿に迫る。

 シリーズ最後には、近藤駿介・原子力委員長、佐藤栄佐久・福島県知事、藤洋作・電事連会長(当時)、ディアス米原子力規制委員会(NRC)委員長など、内外の各氏がそれぞれの立場から、原子力政策、規制、国際協力などへの意見、提言を聴いている。

 今回、シリーズが1冊にまとめられ、一層、手軽に読むことができるようになった。原子力に携わる人達だけでなく、原子力に興味を持つ人、原子力に批判的な人にも勧めたい。

 「Nuclear Salon広島」刊。A4版121頁、800円。お問い合わせは、電話・FAX082−872−2665、電子メールef6324@k7.dion.ne.jp(宮崎氏)まで。


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