[原子力産業新聞] 2006年1月5日 第2313号 <2面>

[検査の在り方検討会] 状態監視保全採用で審議 信頼性重視を 電事連

 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の検査の在り方に関する検討会(委員長=班目春樹・東大院教授)は12月16日、再開後2回目の会合を開催、保守管理に関する検査の課題を審議した。この中で保安院は、状態監視保全技術などによる信頼性重視保全の考え方を規制に盛込む方針を提起。電事連も、事業者が拡充を進めている信頼性重視保全の検査制度への反映を要請した。

 現在、原子力発電所の保守管理は、日本電気協会の保守管理規定に基づき事業者が計画を策定・実施しているが、定期検査停止時に一定期間使用した機器を集中的に点検する時間計画保全が中心。個別機器の状態に応じた管理が難しく、定検停止時には現場が錯綜、同時期に多くの技術者が必要、などの課題を抱える。

 これに対して状態監視保全は、運転中の機器状態監視結果に基づき、適切な保全時期や方法を決定する方式で、すでに海外では定着、国内でも事業者は振動監視などの要素技術を確立、実機適用も開始している。

 保安院の提起はこうした状況を踏まえたもので、「事業者の保守管理活動の高度化に対応でき、さらにその努力を促すような規制の在り方を検討する必要がある」とした。

 委員からは「状態監視技術のガイドラインの充実が必要ではないか」、「時間計画保全だけでは駄目という理由の丁寧な説明が必要」などの意見が出されたが、状態監視保全技術などによる信頼性重視保全の考え方を規制に反映させることについては、妥当とする意見が多かった。

 このほか、保安院は定期検査と定期安全管理審査で検査内容が重複している事項が存在するため、両者の手法(立会、記録確認、サンプリング等)の融合の検討の必要があるとした。


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