[原子力産業新聞] 2006年1月12日 第2314号 <3面> |
[米NRC] AP―1000に最終設計認証 「初の第3+世代炉」米原子力規制委員会(NRC)は12月30日、受動的安全性を取り入れたウェスチングハウスの原子力炉AP1000(=想像図)に最終設計認証を与えた。これまでにNRCから最終設計認証を与えられ炉型は、ウェスチングハウスのAP600とシステム80+、GEのABWRの4炉型。ウェスチングハウスは、2002年3月にAP1000の最終設計認証を申請、2004年9月に設計承認を得ていた。 ウェスチングハウスはAP1000について「最終設計認承を受けた初の第3+世代炉」としている。同社のリプマン上級副社長は、「最終的に米国での新規原子力発電所建設につながる、前向きの出来事の1つ」と述べている。最終設計認証は15年間有効。 AP1000は110kW級PWR。安全系に重力落下方式や自然循環方式など受動的安全システムを採用、非常用ディーゼル発電機を不要とするなどの特徴を持つ。ウェスチングハウスは、2基目以降について、kWあたり建設費を1000〜1200ドルとし、モジュール化を進めることによって、最初のコンクリート注入から燃料装荷まで36か月で建設可能としている。 米国における新規原子力発電所建設へ向けて、NRCから建設・運転一括許認可(COL)取得を狙うコンソーシアム「ニュースタート」は、TVAのベルフォンテ・サイトでAP1000を参照設計に採用。また、デュークパワーもAP1000を使ってしてCOLを取得する意向を明らかにしている。 最終設計認証を得たAP1000については今後、原子力発電所の建設運転許認可のさい、原子炉設計についてはNRCの審査を受ける必要がなくなる。 |