[原子力産業新聞] 2006年1月12日 第2314号 <4面>

[運転速報] 12月利用率は72.8%へ1.7ポイント下降 東通1号機が営業運転開始

 日本原子力産業会議の調べによると、国内原子力発電所の05年12月平均設備利用率は72.8%、同時間稼働率は71.2%で、いずれも前月より若干の下降を見たものの、堅調な運転状況となっている。今月は、東北電力の東通1号機が戦列に加わり、国内商業用原子力発電炉は計54基、総設備容量は合計4822万2000kWとなった。

 12月の全原子力発電所の総発電電力量は259億8713万8000kWh、各プラントの稼働状況は図表の通りである。

 12月の設備利用率については、計31基の発電炉で100%以上に達しており、最高は関西電力の高浜2号機が記録した105.3%、同機はこれで月ごとの数値としては10か月連続して首位となった。以下、同1号機の104.3%、九州電力玄海2号機の103.6%がこれに次いでいる。

 12月8日10時12分、東北電力の東通1号機が経済産業省の使用前検査に合格、営業運転を開始し、待望の青森県初の原子の火が灯った。これで同社の原子力による総電気出力は女川3基と合わせ計4基327万4000kW、総発電設備容量に占める割合は約20%となり、出力は日本原子力発電の261万7000kWを超えた。05年に運開した原子力発電所は、1月の中部電力浜岡5号機と今回の東通発電所と合わせて2基である。

 さて、各地で大雪に見舞われた今冬だが、12月22日、福井県の大飯送電線系統が雪による影響のため送電が停止し、関西電力大飯1、2号機も原子炉自動停止となったが、それぞれ27日、26日に復旧した。

 また、12月は、北海道電力の泊1号機、東京電力の福島第一6号機、同柏崎刈羽6号機、関西電力の大飯4号機、九州電力の川内1号機が定期検査に入ったが、今月6日、泊1号機で非常用排気筒にひび割れが確認されたため、現在当該部を切り出して詳細調査を実施している。


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