[原子力産業新聞] 2006年1月19日 第2315号 <1面>

[原子力機構] 連携センター設置 産業界等との連携を一層強化 神戸製鋼との次世代原子力材料研究協力が第1号

 日本原子力研究開発機構は13日、産業界等と連携し効率的に原子力エネルギー基盤研究を進めるため東海研究開発センター内に「原子力エネルギー基盤連携センター」を設置した、と発表した。同センターによる研究協力の第1号として、このほど神戸製鋼所と次世代原子力材料研究分野の包括的研究協力協定を締結、センター内に「次世代再処理材料開発特別グループ」を設けた。

 原子力機構は以前から産学との連携強化を進めてきたが、今回の連携センターの設置は、こうした活動への取組みを一段と強化するもの。原子力機構が有する研究資源の外部解放を促進するとともに、産業界や大学の研究拠点機能を構築、併せて我が国の原子力技術・人材の維持・発展への貢献を目指す。今後、産業界等との研究協力は連携センターが集約的に行う。

 連携センターは今月1日付けで設置、センター長は原子力基礎工学研究部門の小山田修・部門長が兼務する。同部門の核工学・炉工学、核熱応用工学、燃料・材料工学、環境・放射線工学などの各ユニットが有する技術・人材を産業界と原子力機構が合意した実用性の高い研究テーマ毎に設ける特別グループで活用する。

 運営は産業界や大学などからのメンバーで構成するアドバイザリーボードが支援、連携研究課題の技術的検討は技術研究会が行う。連携センターでは、研究期間5年以内を原則に、当面、3〜5の特別グループの設置を目指しており、この第1号として昨年12月に神戸製鋼所と包括的研究協力協定を締結した。同グループは東海とともに、研究テーマにより大洗研究開発センターでも設置できる体制とする。


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