[原子力産業新聞] 2006年1月26日 第2316号 <1面>

[原子力委員会] 判断示す プル利用計画は「妥当」

 原子力委員会は24日の定例会議で、電気事業者や日本原子力研究開発機構が公表した05及び06年度のプルトニウム利用計画について審議し、これら計画を妥当とする判断を決定した。電気事業者等が示した利用目的は現時点の状況を適切に示していると評価。次年度以降、内容をより詳細なものにすることなどを求めた。

 各電気事業者の利用計画について同委員会は、「海外所有のプルトニウムも公表し、これを用いてプルサーマル実施に向けて許認可を受ける活動を含む取組みや準備活動を行っている」と評価。海外分の具体的な利用計画は燃料加工の段階で公表されるが、こうした点も踏まえて今回の利用計画は、「現時点の状況を適切に示しており、我が国におけるプルトニウム利用の透明性向上の観点から妥当なもの」と評価した。

 また電気事業者は、プルサーマル計画、六ヶ所再処理工場の建設・運転操業、MOX燃料工場の建設などに積極的に取組み、これらの進捗に応じて内容をより詳細なものにすることを期待すると指摘。利用計画への影響が懸念される事態が発生した場合、同委員会が03年8月に決定した、「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」を踏まえ、計画の見直しを求めた。

 原子力機構の利用計画では、「現在『もんじゅ』は運転停止中だが、運転再開のために改造工事を進めるなど準備活動を行っており、利用目的は妥当なものと考える」と評価。併せて今後の内容の詳細化、懸念事態発生時の見直しを求めた。

 このほか同機構が保有するプルトニウムのみでは「もんじゅ」と「常陽」の運転を継続できない事態も想定され、この場合には電気事業者から譲渡を受ける、との説明は電気事業者の説明と整合するとした。


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