[原子力産業新聞] 2006年2月2日 第2317号 <2面>

[FNCA] アジアのエネ情勢・原子力導入テーマにパネルが意見交換 次回会合で最終報告取りまとめ

 原子力委員会主催のアジア原子力協力フォーラム(FNCA)「アジアの持続的発展における原子力エネルギーの役割」検討パネルが1月25、26日、東京・港区の三田共用会議所で開催され、アジア地域におけるエネルギー情勢の展望と原子力発電導入における共通課題を中心に意見交換が行われた。

 参加国は、中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、日本で、各国のエネルギー・原子力政策の行政官らが出席。なお同パネルでは今後、エネルギー安定供給と地球温暖化対策における原子力の役割について得られた認識を踏まえ、来年度予定の次回会合において、最終報告をとりまとめることとしている。

 冒頭、近藤駿介原子力委員長は、昨今のエネルギー価格高騰を招いている現状を指摘するとともに、わが国における原子力発電推進のスタンスを述べた。

 引き続き行われた議論では、急速な社会的・経済的発展により、アジア地域のエネルギー需要が増大する中、化石燃料資源の輸入依存度も上昇し、価格高騰が懸念される一方、原子力発電については、@地球温暖化対策に貢献するエネルギー源との認識についての欧州とアジア間の対話ACDMに含める合理性についての環境専門家との対話――の重要性が示されるなどした。

 また、原子力発電導入における共通課題として、@安全の確保A国民合意形成B経済性C人材養成D核不拡散――についての討議が行われ、人材育成プログラム、経済性分析、資金計画といった関心分野が掘り起こされた。


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