[原子力産業新聞] 2006年2月9日 第2318号 <1面>

[原子力機構] 初の核不拡散国際シンポ開く 大洗で

 日本原子力研究開発機構は7日、大洗町で「核不拡散と平和利用に関する大洗国際シンポジウム」を開催、わが国の原子力平和利用に対する信頼確保とアジアの原子力活動の透明性向上に関する取組を紹介するとともに、米国、韓国の研究員らを招いて、国際的透明性構築に向けた遠隔監視技術などを巡って議論した。

 冒頭、木村良理事は、昨秋の新法人発足後、核不拡散をテーマにした初めてのシンポに先立ち、原子力の安全と平和利用の確保を目指して、重点強化分野の一つとして核不拡散技術開発に取り組んでいる機構の姿勢を述べ、これに対し、地元の小谷隆亮大洗町長(=写真)は、「原子力平和利用の発展に核不拡散の取組は不可欠」と今回の開催を歓迎した。

 パネルディスカッションでは、原子力活動の透明性と技術に関連して、ドーリ・エリス米サンディア国立研究所国際安全保障センター部長らが、遠隔監視システムをデモンストレーションし、そのメリットを述べた一方で、ワン・キ・ユン韓国原子力管理規制機構マネージャーは、同システムを評価しながらも「技術は人にとって代わるものではない」として、補完的に位置付ける必要も指摘した。

 モデレーターを務めた浅田正彦・京都大学院法学研究科教授は、今後原子力発電導入が活発化する東南アジアへの技術普及の意義を認めつつ、「いかなる協力活動も信頼性構築が重要」として議論を締めくくった。


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