[原子力産業新聞] 2006年2月16日 第2319号 <2面>

[原産] 2004年度原子力産業実態調査まとまる 電気事業の支出が回復

 日本原子力産業会議は10日、04年度の原子力産業実態調査報告を取りまとめ発表した。

 同調査は、わが国の原子力産業の経済面を把握するとともに、その分析を通じ産業としての健全な発展に貢献し、また各分野における関係者の参考となる基礎資料とすることを目的に、原産会議が1959年から定期的に実施しているもので、今回で46回目。

 04年度の@電気事業の原子力関係支出動向A鉱工業の売り上げ動向および支出動向B民間企業の原子力関係従事者数――などについて、調査対象企業443社のうち、04年度中に原子力関係の売り上げ、支出ないしは従事者を有するなど何らかの実績のあった322社の調査票をもとに取りまとめられている。

 具体的に内容を見ると、電気事業の原子力関係支出について、04年度支出は1兆7742億円(対前年度比14%増)となり、過去13年間で最低額を記録した03年度に比較して、やや持ち直していることが明らかになった。これについて同調査では、建設費、運転維持費等の支出はほぼ例年通りだったものの、核燃料費が48%増と大きな伸びを見せたことにより、「支出総額を押し上げた」と分析している。

 一方、鉱工業では、原子力関係の総売り上げ高は1兆3172億円と、対前年度比約9.1%減。また同支出高は、原子炉機材と核燃料サイクルを中心に減少に歯止めがかからず、対前年度比マイナス13.4%の1兆2240億円をマークするにとどまっている。だが今後の売り上げ見込みについて実施したアンケート調査では、5年後には当該年度実績比120%以上が確保できると予測した企業が、前回調査に比べて3.1%多い77社となっており、現在が底と考える企業が着実に増えているようだ。

 民間企業の原子力関係従事者数に目を転じると、鉱工業および電気事業の事務系を含む04年度従事者数は、対前年度比5.6%減の4万5833人。このうち全体の約23%を占める電気事業の従業員数が過去10年でほぼ横ばいの1万488人なのに対し、鉱工業の従業員数は3万5385人と、10年前の約3割減となっている。


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