[原子力産業新聞] 2006年2月16日 第2319号 <3面>

[ハンガリー] 原子炉工学に人気 議会支持追い風に

 議会が原子力推進の姿勢を鮮明にしているハンガリーでは、ブダペスト工科大学原子力技術研究所の原子炉工学訓練コースが、若者の人気を集めている。

 1980年代にパクシュ原子力発電所(VVER―440×4基)が営業運転を開始して以来、同コースの志望者数は減少。90年代後半には、定員割れで開講できない年もあった。しかし2月より開講される同コースには、過去最高の36名の学生が参加する。

 ハンガリー議会は2005年11月、パクシュ原子力発電所の長期戦略(出力増強と運転期間延長)および、同国南部のウベグタ地方のバタアパチ地点への中・低レベル放射性廃棄物処分場の建設を原則承認した。関係者は、こうした議会の原子力推進姿勢が、原子力を専攻する若者に希望を与えたと分析している。

 また原子力発電所の運転期間延長計画等の実施には、熟練した技術者が欠かせないため、原子炉工学訓練コースの受講者増大は、若手の人材不足による技術継承に悩まされている同国の原子力産業界にも朗報となった。


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