[原子力産業新聞] 2006年2月16日 第2319号 <3面>

[米DOE] 07年度予算案 原子力開発に55%増 サイクル関連で207%増

 米エネルギー省(DOE)は6日、2007会計年度(2006年10月〜2007年9月)の総額236億ドル(約2兆8000億円)の予算案を発表、原子力関連の研究開発予算として、同省原子力局分で今年度比55%増の3億4710万ドル(約410億円)を計上した(表参照)。

 これとは別に、ITERなど核融合研究予算として14%増の5億3900万ドル(640億円、科学局分)、民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)にユッカマウンテン処分場の開発等として、22%増の5億4450万ドル(約640億円)を要求している。

 今回の目玉は、6日に発表された「国際原子力エネルギーパートナーシップ構想(GNEP、本紙先週号3面参照)」関連の研究開発費として、「先進的核燃料サイクル・イニシアティブ(AFCI)」予算を、今年度比207%増の2億4300万ドル(約290億円)へ大幅に引き上げたこと。

 一方、官民協力により原子力発電所の新設を目指す「原子力発電2010計画」は、5400万ドル(64億円)へと17%減、第4世代原子力システムへは40%減の3140万ドル(37億円)となった。また、大学原子炉計画、原子力研究構想(NERI)、原子力施設最適化計画(NEPO)の予算はゼロ要求となった。

 DOEの原子力予算要求について、米原子力エネルギー協会(NEI)は、「エネルギーの確保、地球温暖化対策の観点から、世界各国が原子力重視に転換する中で、原子力研究開発に注力するDOE予算案は時宜を得た措置」と歓迎した。

 しかしDOEが、「政府として支援する役目は終わった」として、今年度2670万ドルが割り当てられていた大学の研究炉や教育プログラムへの予算をカット、『原子力2010』の予算も削減したことに、NEIは強く反発。「優秀な人材を将来にわたって確保するために不可欠」として、再考を促している。


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