[原子力産業新聞] 2006年3月2日 第2321号 <1面> |
[文科省] 人材育成で7項目提起 原子力研究委 現状打破へ議論文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会は2月24日、第13回会合を開催し、原子力分野の人材育成について議論した。文科省は今後の方向性として7項目を提起、委員からも現状の打破に向けた様々な意見が出された。 7項目は、@連携大学院制度などを活用した専門教育の充実A大学施設の老朽化への対策B専門職大学院を活用した社会人の再教育C研究者の底辺拡大と研究活性化のための競争的資金活用D研究機関、民間企業、行政などの間の人材交流促進E原子力機構を中心とした施設の活用と研修の推進Fインターンシップ制度を効果的に活用するためのプログラム企画など行うコーディネーターの配置――など。 文科省は今回、原子力政策大綱で示された人材育成の課題を踏まえ、大学などの関係者にヒアリングを実施、課題への対策や今後の方向性を取りまとめた。 委員からは、「90年代半ばに米国でも大学における原子力教育が縮小したが、奨学金制度などもあり最近は一時の2、3倍の学生を集めており、日本も具体的な支援策が必要。またエネルギーと環境に関する学校と社会教育に力を入れるべき」、「世界共通の高度な原子力技術資格制度を立上げ、その資格を取得することで見返りが得られるようにすることが必要」、「米国や中国のように、日本も将来の原子力産業の発展が見通せるような大きな政策ポリシーを示すべき。それにより人材問題や原子力の仕事に対する社会的評価も変わる」、「大学に優秀な人材を確保するためには各分野間の競争関係が重要。他の分野と平等な研究環境を整備する必要がある。また高校生に興味を持たせる工夫が重要」などの意見が出された。 |