[原子力産業新聞] 2006年3月30日 第2325号 <1面> |
[日本原燃] アクティブ試験で安全協定締結 29日に青森県、六ヶ所村と日本原燃は29日、青森県および六ヶ所村と六ヶ所再処理工場のアクティブ試験に係る安全協定を締結した。28日に青森県の三村申吾知事が試験開始の了承を表明した。同社は周辺5市町村とも協定を締結した上で、31日にも同試験を開始する。着工から13年、六ヶ所再処理工場は来年8月の操業開始に向け最終ステップに入る。 協定は三村知事、六ヶ所村の古川健治村長、同社の兒島伊佐美社長により、勝俣恒久電事連会長立会いのもと青森市内のホテルで調印された。同協定は安全確保や情報公開、県などの立ち入り調査権、放射線測定などを規定。兒島社長は協定の主旨を心に刻み、安全対策に万全を期すとともに、適切で透明性の高い情報公開に努めるとした。 三村知事は28日の会見で、アクティブ試験開始を了承する判断について、「エネルギー供給や地球温暖化への懸念が高まるなかで、六ヶ所再処理工場は我が国のエネルギー政策に大きく貢献する。県民各層の意見や国の政策などを総合判断した結果、安全協定を締結することが適当との判断に至った」と説明。また、「重い決断だったが、県民の安全・安心の確保のため、事業者には品質保証体制をとことん要求、考えられるあらゆる手順を丁寧に踏んだと考えている」とした。 県の検討は、先月13日の国による日本原燃のアクティブ試験計画の了承を受けて本格化。県議会、県民各層、市町村長、専門家など県内の意見集約に努めるとともに、国や電事連の取り組みも改めて確認した。 今月27日には内閣官房長官や関係閣僚などで構成する「核燃料サイクル協議会」を開催。三村知事は核燃料サイクル政策、高レベル放射性廃棄物の最終処分、安全確保、広報・広聴事業、地域振興の5項目について確認。安倍晋三・内閣官房長官は「プルサーマル計画を含む核燃料サイクル政策は我が国原子力政策の基本」とし、関係閣僚は各項目で政府一体となった取り組みを説明した。知事は、「誠意ある発言は青森県民全体に対して約束いただいたものと理解し、重く受け止めた」とした。 アクティブ試験は17か月間の予定。合計430トンの使用済み燃料を使用する。5つのステップに分け環境への放出放射能量、核分裂生成物の分離性能、ウランとプルトニウムの分配性能などを確認する。 |