[原子力産業新聞] 2006年3月30日 第2325号 <1面> |
[志賀2号機] 運転差し止め判決 金沢地裁北陸電力・志賀原子力発電所2号機の運転差し止めを求める訴訟の判決が24日、金沢地裁であり、井戸謙一裁判長は耐震設計に問題があるとして原告側の主張を認め、原子炉を運転してはならないと命じた。北陸電力は直ちに控訴を表明、判決に仮執行宣言はなく運転を継続する。 この訴訟は1999年8月の同機着工と同じ時期に、16都道府県の住民132人が、耐震設計などに問題があるとして建設差し止めを求めたもの。昨年4月の試運転開始に伴い、運転差し止めに変更した。 井戸裁判長は判決理由として、@綿密な調査はしているがM6.5を超える地震の震源断層が発電所直下に存在しないとは断じられないA昨年3月に国の地震調査委員会がM7.6程度の地震が発生する可能性があるとした、同機東側の邑知潟断層帯を耐震設計の基準地震動S2として考慮すべきB宮城県沖地震の際に女川原子力発電所で観測されたデータに見られたように、基準地震動の想定手法に妥当性があると言い難い――などを挙げた。原子力発電所を巡る判決は過去に30件程度あるが、商業用発電所で住民側が勝訴したのは今回が初めて。 北陸電力は同日、「不当な判決、驚きをもって受け止めており、準備が整い次第、直ちに控訴したい。耐震設計審査指針は、現在、国で検討が続けられており、改定された場合には、その指針で安全性の確認を行う」などとする永原功社長のコメントを発表した。 |