[原子力産業新聞] 2006年4月6日 第2326号 <2面>

[東海再処理施設] 役務を完遂 六ヶ所にバトンタッチ、研究開発運転へ

 日本原子力研究開発機構は3月31日、電気事業者との再処理役務契約に基づく最後の使用済み燃料のせん断・溶解を東海再処理施設にて終了した。77年のホット試験開始以来、約1,116トンの使用済み燃料再処理を行い、そこで得た技術を六ヶ所再処理工場へと反映させてきたが、今後は再処理技術高度化へ向け、研究開発運転へと移行することとなる。

 東海再処理施設は、国内初の再処理プラントとして、再処理技術の国内定着、基盤整備、技術開発を進めてきたほか、ここで開発したプルトニウム・ウラン混合転換技術、ウラン脱硝、ガラス固化技術を日本原燃の六ヶ所再処理工場へと移転するなど、先導的役割を果たしてきた。97年のアスファルト固化処理施設火災爆発事故により、約3年半停止したが、2000年11月にJCOウラン溶液処理で再開、軽水炉、新型転換炉の使用済み燃料再処理は02年には累積処理量が1,000トンに達している。ピーク時には年間100トン近くを処理する年もあった。

 東海再処理における最後の役務契約運転となったのは、関西電力美浜2号機のPWR使用済み燃料を処理する「06−1キャンペーン」で、2月に開始されていた。3月31日午後、再処理施設中央制御室にて、殿塚・原子力機構理事長は役務再処理完遂を宣言(=写真)、国内商業炉使用済み燃料再処理は、同日アクティブ試験を開始した六ヶ所再処理工場へと引き継がれた。

 この後、東海再処理施設では、「ふげん」のMOX使用済み燃料の再処理を行うなど、引き続き再処理技術高度化に向けた研究開発を進める。


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