[原子力産業新聞] 2006年4月6日 第2326号 <3面>

[英政府] BNG売却方針を承認 来年秋にも売却先を決定

 英国政府は3月29日、英原子燃料会社(BNFL)の除染・デコミッショニング部門であるブリティッシュ・ニュークリア・グループ社(BNG、従業員1万4,000人)の売却方針を正式に承認した。売却先の候補企業は明らかされていないが、早ければ2007年秋にも売却先を決定したい意向だ。

 政府は翌30日には、原子力廃止措置機関(NDA)が新たに策定したデコミ戦略も承認した。それによると、英国の20の民生用原子力施設のデコミッショニングと除染にかかるコストは627億ポンド(12兆8,500億円)となり、当初算定されていた560億ポンド(11兆5,000億円)を大きく上回る。

 しかし、627億ポンドに低レベル廃棄物処分施設の建設費用などは含まれておらず、NDAが必要とする資金は700億ポンド(14兆3,500億円)以上になると見積もられている。しかしBNGの売却により、その売却益が国庫に入る。また新生BNGはより強化されたデコミ事業体となり、セラフィールド施設の運営・管理を継続し、NDAのデコミ戦略にも大きく寄与できる。

 英国政府は2003年にBNFLを、@ウェスチングハウス社ABNGBネクシア・ソリューションズ社――の3部門に事業再編した。今年2月に東芝への売却が決定したウェスチングハウスに続き、今後BNGが売却されれば、BNFLに残るのはエンジニアリングと原子力技術の研究開発を行うネクシア・ソリューションズ社と、ウラン濃縮を行うURENCO社の所有権(3分の1)だけとなる。

 なおBNFLは2月3日、BNGの米国法人であるBNGアメリカ社を、米エナジー・ソリューションズ社へ売却すると発表している。


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