[原子力産業新聞] 2006年4月6日 第2326号 <4面>

[運転速報] 05年度設備利用率は71.9%へ上昇 PWRの3月利用率は89.9%

 日本原子力産業協会の調べによると、国内原子力発電所の05年度の平均設備利用率は、71.9%と、前年度より3ポイント上昇、総発電電力量も前年度比7.7%増の3,000億kWh近くまで達しており、美浜発電所事故の影響による原子力利用の落ち込みがこの年、ほぼ回復してきたといえよう。各発電炉の同年度および3月の稼働状況、同月の炉型別・電力会社別の利用率等は、表に示す通りである。

 05年度は、東北電力東通1号機と北陸電力志賀2号機の2基の営業運転開始により、原子力発電総出力は245万8,000kWアップして、計4,958万kWとなった。また、前年度と比較した場合、年度内での設備利用率に大きな変動はみられなかった。

 一方3月だが、平均設備利用率は74.8%、PWRに限ると同89.9%にも達しており、遜色ない稼働状況といえよう。さらに、計29基のプラントが利用率100%超となるなど、熱出力一定運転の効能が顕著に表れた。

 利用率の最高は関西電力の高浜2号機が記録した105.3%で、同機はこれで13か月連続して首位に立っている。また、8月の地震により停止していた東北電力の女川3号機が23日、発電を再開した。

 その他、東京電力の福島第二発電所が3月25日、81年の発電開始以来、累計発電電力量6,000億kWhを達成、同社発表によると、石油火力と比較して約4億3,200万トンのCO2排出を抑制するなど、電力安定供給だけでなく、環境保全に貢献してきた。また、同福島第一3号機と中部電力の浜岡1号機が同月中、運転開始から30年を迎えた。


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