[原子力産業新聞] 2006年4月20日 第2328号 <2面> |
原子力機構06年度事業計画 FBRサイクル、量子ビームに重点 予算総額は前年度比4.3%減の2,004億円日本原子力研究開発機構は11日、今年度の事業計画を発表した。予算総額は前年度比4.3%減の2,004億円、「もんじゅ」等のFBRサイクル研究開発やJ―PARC等の量子ビーム応用に多くの予算を投入する。 主要事業別の今年度予算は、FBRサイクルが同12.7%増の346億円、高レベル放射性廃棄物処分同8.4%増の90億円、核融合同21.4%減の55億円、量子ビーム同14%増の228億円、廃止措置・低レベル廃棄物処理処分同11.8%減の127億円。 FBRでは「もんじゅ」の改造工事を今年度中に完了の予定で、工事を終えた系統からナトリウム充填に必要な試験を進める。併せて運転保守管理技術の高度化やナトリウム取扱技術確立のため、一次系配管検査装置の設計も完了する予定。実用化戦略ではフェーズVの開発目標、設計要求などを定め、要素技術などの開発を進める。 高温ガス炉は、ヘリウム純度管理や核特性のデータを取得するとともに、これに接続する毎時1,000立方m規模のISプロセスの基本構成を決定する。 08年度の供用開始を目指すJ―PARCはリニアック、3GeVシンクロトロン、物質生命科学実験施設の建設・整備を続行するが、今年度はリニアックでビーム試験を開始するとともに、原子力機構のビームラインの建設も始める。 高レベル関係では、処分事業に必要なデータベースの開発・公開などとともに、東濃地科学センターで深度200mまでの立坑掘削と同深度の予備ステージ掘削及び先行ボーリングによる深部地下水の水質・湧水量評価などを実施。幌延でも各立坑の掘削を進める。 ITERの予算は12億円で、物納機器の調達や人材参加窓口等を担当する日本の極内機関の立上げ準備、ブロードアプローチ業務などを行う。 |