[原子力産業新聞] 2006年4月20日 第2328号 <2面>

高価格、専門医不足が課題 電工会が医療機器利用調査

日本電機工業会・加速器専門委員会は、粒子線治療装置などの医療用機械の全国大病院での利用状況などについてアンケート調査を実施し、その利用状況やメーカへの要望について取りまとめた。

調査対象は病床数200床以上の国公立病院と病床数400床以上の民間病院で、調査票を郵送した。調査したのは平成17年10月から約1か月間で、1,239病院に発送し、回収数は311病院、回収率は25.1%。

まず、加速器の認知度については医療機械に限らない一般加速器としての認知は約90%と高水準。医療用では「X線治療装置」、「陽電子/炭素線治療装置」、「電子線治療装置」の3種類が90%台と高かった。

医療用機械における加速器の導入割合では「X線診断装置」が85%で最も多く、次いで「X線/電子線治療装置」(62%)、「RI製造装置」(30%)の順、「γ線治療装置」は8%、「陽子線/炭素線治療装置」は0.6%(2件)にとどまった。

使用台数は「1台」(76%)が大半であるが、「2台」(20%)もみられ、平均1.3台となった。使用期間は「〜5年」(42%)、「〜10年」(28%)、「〜15年」(21%)と、15年以下で91%に及び、平均7.5年である。

運転要員は「2人」が52%と多く、平均は2.5人。年間の保守費用は「〜500万円以内」と「500万円超から1,000万円以内」がともに34%で合わせて68%、「1,000万円超〜5,000万円以内」も14%に上る。

RI製造装置の使用状況については、「1台」(56%)および「2台」(21%)で77%を占め平均では1.6台。運転要員数は「1人」(39%)、「2人」(28%)が合わせて67%と多く、平均では1.8人となっている。

医療用加速器を導入しない理由としては、「価格が高い」(49%)、「専門医が不足している」(36%)が2大理由。

今後の導入については、計画を有するのが41%と全体の4割を占めるものの、「導入計画がない」とする回答も36%あった。導入計画のある機器では、「X線/電子線治療装置」が56%と最も多く、「X線診断装置」(42%)、「RI製造装置」(19%)と続く。

同報告書は、電工会の会員の有無に関係なくホームページから入手できる(会員外は有料)。


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