[原子力産業新聞] 2006年4月20日 第2328号 <2面>

総合部会が各分野の審議を開始

総合資源エネルギー調査会の総合部会は12日、第3回会合を開催、エネルギー安全保障と石油・天然ガス政策について審議した。前会合で新・国家エネルギー戦略の中間取りまとめを終え、今会合から来月の最終取りまとめに向け、各分野の政策の審議を開始した。

安全保障ではエネ庁が、昨年12月に設置した「エネルギー安全保障研究会」(座長=寺島実郎・日本総合研究所理事長)での検討状況を説明した。同研究会は様々なリスクを想定、この対応策を検討しているが、今後、重点的な検討が必要な事項として、@アジア協力A天然ガスビジネス支援B危機管理における連携強化―を挙げた。

寺島座長は特にアジア協力がポイントになると指摘。アジアのエネルギー需給構造を強靱なものとすべく、地球温暖化対策にも資する省エネ・環境協力、原子力協力等、幅広いエネルギー協力を推進すべきなどとした。また、今回の石油価格の大幅な上昇でも、国内の経済活動が混乱しない要因について、詳細な要因を分析すべきだが、長期的な円高、エネルギー利用効率の向上、電力の脱石油化の3点が大きいとした。

さらにエネルギー問題も含め、世界的に経済ナショナリズムが高まっており、原子力分野でも相当な覚悟を持ち国際的な原子力管理に、わが国が積極的に参画する必要があると強調した。


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