[原子力産業新聞] 2006年4月20日 第2328号 <3面>

トルコ政府 原子力500万kWの建設決定 2007年着工を目指す

トルコのH.ギュレル・エネルギー天然資源相は14日、政府が同国初となる原子力発電所の建設計画を正式に決定したことを明らかにした。

建設する原子力発電設備容量は500万kW。建設サイトとしてシノップ市が選定されているが、具体的な建設地点や炉型、基数は未定。トルコ原子力庁は「1年内に決定する事項だが、インジェ岬が最有力」としている。政府としては2007年に着工し、初号機を2012年に運開したい意向だ。

トルコの原子力発電所建設計画は1968年に開始されたが、立地サイトや財政上の問題で何度も頓挫。その後も、地中海沿岸のアックユと黒海沿岸のシノップを建設候補サイトとして、建設計画が浮上しては凍結される繰り返しだった。

最近では1997年10月、ターンキー契約、全額融資付きという条件でアックユ原子力発電所の国際入札が行われ、欧州、米国、カナダ、日本などの原子炉メーカー3グループが応札したが、入札評価作業の遅れを理由に政府が決定を先送り。1999年8月にはアックユ・サイトから900kmの地点で大地震が発生し、建設計画は2000年7月に凍結された。

経済活動の活発化によって、トルコの電力需要は急伸しており、1980年には512万kWであった設備容量は、1997年には4倍以上の2,189万kWに拡大。2001年の金融危機後に伸び率は若干鈍化したものの、2003年には3,230万kWに達した。トルコ電力公社は、2020年までに5,400万kWの設備容量が必要になると予測している。


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