[原子力産業新聞] 2006年4月20日 第2328号 <4面>

伊藤忠商事 米国でウラン採掘事業を調査

伊藤忠商事は10日、米国のウラン鉱山会社であるUranium Resources Inc(=URI社、テキサス州)とURI社が米国ニューメキシコ州に保有するチャーチロック鉱区の開発事業性を検証するため、共同調査を開始すると発表した。

両社は共同開発を視野に入れており、今後8か月間の調査により事業性、埋蔵量などを詳細に確認する。同鉱区では約400トン/年の生産量で10年間の採掘が期待されているという。URI社はウラン精鉱市況が上昇する中、同鉱区の追加立上げを計画している。

伊藤忠商事は昨年、カザフスタンの国営原子力会社であるカザトムプロム社との長期ウラン精鉱の購入契約を締結するなど、世界的なウラン需要の増大を予測し、関連事業を強化している。今回の共同調査もこうした事業展開の一環で、URI社とは従来から良好な取り引き関係を維持してきたが、今回、さらに関係を強化することにした。

現在、世界の原子力発電用ウラン(精鉱)の需要量は年間約6万5,000トン。伊藤忠商事は世界第2位のトレーダーであり、05年には天然ウランを年間4,000トン販売している。URI社はウラン精鉱の生産・販売を事業に、従業員は50人。


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