[原子力産業新聞] 2006年4月28日 第2329号 <2面>

ウラン廃棄物で報告書 燃料加工会社など 合理的処分基準求める

日本原燃、日本原子力研究開発機構などウラン燃料を使用する6社・機関はこのほど、「ウラン廃棄物の処分及びクリアランスに関する検討書」をまとめ公表した。

ウランが自然界に広く存在し、かつ非常に半減期が長いことから、ウラン廃棄物については合理的なクリアランスレベルや処分基準が必要であることを受け、ウラン廃棄物の主要発生者(原子力機構、日本原燃、原子燃料工業、三菱原子燃料、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、ジェー・シー・オーが、処分やクリアランスに関する国内外の情報を整理、評価、検討を行ったもの。

2050年までに発生するウラン廃棄物は、主要3者で200リットル・ドラム缶換算50万本にのぼる。除染により、大部分(70%超)が0.1Bq/g以下の低濃度だが、一部焼却灰等に、高品位ウラン鉱床並の1,000Bq/gを超える高濃度の廃棄物がある。

ウラン廃棄物の処分方法について、現行の評価手法に加え、パラメータ更新、地下水移行によるインベントリ減少等を取り入れた場合、クリアランス、トレンチ処分、余裕深度処分の濃度がそれぞれ、1、10、10,000Bq/gのオーダーとなったと指摘。

クリアランス方策については、ウラン廃棄物についても再利用を進める「循環型社会」の形成が重要とし、産廃の再利用、埋設処分技術がウラン廃棄物のクリアランス対象物にも適用可能としている。その上で、最大の課題は「社会の受容性」だとして、クリアランス制度が社会に定着するまで、原子炉廃棄物のクリアランスの考え方を、ウラン廃棄物にも要件とするよう提言している。

報告書全文は、原子力機構のホームページ(http://www.jaea.go.jp/04/be/docu/uran/top.html)で閲覧可能。


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