[原子力産業新聞] 2006年4月28日 第2329号 <2面> |
文科省部会が評価開始 FBRサイクル戦略U文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会の原子力研究開発作業部会は14日、第5回会合を開催、FBRサイクル実用化戦略調査研究フェーズU報告に対する技術面の評価を開始した。 文科省は同報告書に関し、今年6月末に中間評価、10月頃に最終評価をまとめる方針。主に親委員会が政策面、同部会が技術面を評価する。 今会合では原子力機構がFBRシステムと燃料サイクルシステムの評価内容について報告。主概念をナトリウム冷却炉の先進湿式法+簡素化ペレット法(酸化物燃料)とし、補完概念を同冷却炉の金属電解法+射出鋳造(金属燃料)とヘリウムガス冷却炉の先進湿式法+被覆粒子(窒化物燃料)とした評価の視点などについて説明した。また炉システム、燃料サイクルシステムとも資源重視型、経済性重視型など各種案を示した。 委員からは、「米仏などが意欲的な計画を発表するなど、FBRを巡る世界の流れは変化している。このなかで世界標準的なFBRにするための戦略が必要」、「知的財産の扱い方や人的資源の確保策が重要」、「『もんじゅ』が順調に運転していれば海外を圧倒的にリードできた。これを実現していないことは残念だが、日本が遅れている訳ではなく、地に足をつけた開発が必要」などの意見が出された。 同部会では今後、海外情勢なども踏まえた評価を進める。 |