[原子力産業新聞] 2006年5月11日 第2330号 <3面>

【第39回原産年次大会 特別講演 原子力ルネッサンス 各国の連携がカギ】
 P.プラデル 仏原子力庁原子力開発局長 原子力ルネッサンスにかける大きな期待

21世紀の世界のエネルギー需要はさらに増加し、気候変動のリスクは現実問題だ。持続可能な開発シナリオは、@CO2排出の削減Aエネルギーの供給B発展途上国のエネルギー利用拡大、の3つの重要な基準に可能な限り沿うことが求められている。原子力発電は発電コストも低く、安全でクリーンな発電方法であり、増大し続ける世界のエネルギー需要に対して重要な役割を果たす。

フランスは第1次オイルショック以来、意欲的な原子力発電開発計画を進めてきた。完結した核燃料サイクルを土台に、短・中期的(2020年以降)には欧州加圧水型炉(EPR、第3世代炉)を、長期的(2030〜2040年)には高速中性子炉(第4世代炉)を導入するという将来戦略を打ち立てることにつながった。

持続可能な原子力開発には@核燃料サイクルの完結A廃棄物の減容B核拡散抵抗性と核物質防護等が不可欠だ。そのためフランスは将来型原子力エネルギーシステムの研究開発を進めているが、これは今後、国際的な連携の下に進められる可能性がある。原子力ルネッサンスは地球規模で展開する必要があり、研究開発は広範囲な協力枠組みのもとで、コストを国際的に分担する形で実施されることが望ましい。


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