[原子力産業新聞] 2006年5月18日 第2331号 <3面> |
「リスク保険」規則を発表 米エネルギー省(DOE) 2段階の手続き定める米エネルギー省(DOE)は6日、原子力発電所など原子力施設の建設を促進するために、2005年エネルギー政策法(EPACT)で定められている「リスク保険」に関する暫定最終規則を発表した。この規則は、規制や訴訟による新規原子力発電所の運開遅れに伴うコストを補填するリスク保険の要件を定めたもの。 エネルギー政策法のリスク保険(スタンバイ・サポート)条項は、原子力発電所の運開遅延による財政的損失について、最初の2基に対し最高5億ドル、その後の4基にそれぞれ最高2億5,000万ドルをカバーしている。 ボドマンDOE長官は「米国では新規原子力発電所はこの30年建設されていないが、規制および法律など、電力会社にとってどうにもならない要件による遅延をなくす保証をすれば、原子力は復活できるだろう」と述べた。 この規則は、2段階のプロセスを定めている。第1段階では、原子力発電プロジェクトの出資者は、施設の建設・運転一括許認可(COL)申請をNRCに提出した後、DOEと条件付合意文書を結ぶ。第2段階では、NRCからの許認可など必要な条件を満たした後、出資者とDOEは、リスク保険(スタンバイ・サポート)契約を結ぶ。最初の6基の原子力発電所への出資者は、これらの条件を満たすことによって、遅延による損失に補填を受けることができる。 同規則は、リスク保険が適用される要件として、NRCの検査、試験、分析、合格基準、その他許認可審査の遅延、また、州、連邦、部族の法廷に関連した遅延を対象としている。しかし、ストライキや気象など通常のビジネス・リスクによる損失や、出資者の行動によって左右できる事象による遅延には適用されない。 リスク保険が対象とする損失には、借入金の元本と利子、また、契約義務を満たすための代替電力の購入費が含まれる。 |