[原子力産業新聞] 2006年5月18日 第2331号 <3面>

3基を13%出力増強 スウェーデン フォルスマルク1〜3で

スウェーデンの規制当局である原子力発電検査局(SKI)はこのほど、フォルスマルク1〜3号機(=写真、BWR、100万8,000kW・2基、119万kW・1基)の出力増強を認可した。政府の最終承認待ちだが、改造工事は2010年に完了予定。

出力はそれぞれ、113万kW、113万kW、136万kWとなり、1〜3号機の合計出力は、320万6,000kWから362万kWへ、計41万4,000kW・12.9%、増強される。これにより3基の年間発電電力量は33億kWh増大する。すでに今年3月には、米ウェスチングハウス社が同発電所への炉内構造物の供給で契約(3,000万ドル)している。

同発電所を所有・運転するFKA社は2004年10月、全3基の出力増強(2億7,500万ドル)を決定。理由として国内電源が不足するとの将来見通しを示していた。

スウェーデンではバーセベック1、2号機が、それぞれ1999年11月、2005年5月に強制閉鎖されたが、それ以外の原子力発電所を閉鎖する計画はない。

逆に近年、同国の原子力発電所は続々と出力増強の方針を示している。2005年10月に政府から出力増強の承認を得たリングハルス1、3号機以外にも、フォルスマルク1〜3号機、オスカーシャム3号機などが政府の承認待ちだ。そのほかにも出力増強を計画している原子力発電所があり、相次ぐ出力増強は、バーセベック原子力発電所の強制閉鎖で逼迫しつつある同国の電力供給の現状を示している。


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