[原子力産業新聞] 2006年5月25日 第2332号 <1面> |
ベトナム・ハノイで 国際原子力展示会を開催 片山政務官団長に日本も参加ベトナムの科学技術省と工業省は、5月16〜19日にハノイで国際原子力発電展示会を開催した。この展示会は、2004年5月に引き続く2回目のもの。 「原子力発電の安全性と経済性」と題する今展示会には、日本、韓国、フランス、ロシア、ベトナムが出展。日本からは、経済産業省の片山さつき政務官を団長とする官民19名の代表団が参加し、キエム副首相、ハイ工業大臣、フォン科学技術大臣などベトナム政府要人とも会談を行った。 展示会には4日間で約8,000人が参加。国会開催中であったことから、国会議員の来場も200人を数えた。ベトナムで原子力発電が政治的にも注目されている証と言える。 日本ブースでは、日本の原子力開発の歴史、安全性と信頼性を示すパネル展示や、APWR、ABWRの模型、定検で用いられるロボットなどを展示、来場者の注目を集めた。 展示会に合わせて、ベトナムは「国際原子力パネル討論」を開催。展示会参加の各国が、それぞれセミナーを開催した。 25歳以下が人口の50%を占める若い国ベトナム。経済成長率もここ数年、6〜8%と好調だ。 これに伴い、電力需要も年17%の高い伸びを見せている。電力不足のため、ラオスや中国など周辺国からの電力輸入や、立ち上がりの早いディーゼル発電などに頼らざるを得ない状態だ。 この国で今、原子力発電の導入が真剣に検討されている。ベトナム政府は、2020年までの「原子力長期戦略」を今年1月に正式承認、このなかで、2015年までに原子力発電所の初号機の建設を開始し、2020年までに運転を開始することをうたう。 2002年からは、原子力発電導入に関するプレフィージビリティ・スタディ(プレFS)を開始、諸外国の協力も得つつ、昨年8月に首相府に提出、今年中の国会提出を目指している。次の段階としては、正式なFSの開始が見込まれる。原子力発電所サイト候補地も、ベトナム南部の2か所に絞り込まれた。 |