[原子力産業新聞] 2006年6月8日 第2334号 <1面>

初のクリアランス申請 東海原発解体撤去で 原電 金属2,000トン再利用へ

日本原子力発電は2日、原子炉等規制法に基づいて、廃止措置作業中の東海発電所(茨城県東海村)で発生する撤去物のうち、「クリアランス制度」が適用される見込みの対象物の放射能濃度測定および評価方法についての認可申請を、経済産業省に行った。同申請は「クリアランス制度」導入後、初めての認可申請で、今回対象物は燃料取替機や熱交換器の一部などの金属類約2,000トン。方法の妥当性が認められ、実際に測定・評価結果の確認がなされた後、同社では鉄筋・鉄骨などに溶融・加工して電力関連施設などで再利用する方針だ。

東海発電所は日本最初の商業用原子力発電所で、電気出力16万6,000kWの炭酸ガス冷却炉、66年7月に営業運転を開始し、32年間運転した後、98年3月31日に運転停止。解体撤去は全工程約17年間の計画で、タービンなど周辺機器の撤去は01年から5年計画で実施中で、熱交換器などは今年度から約5年かけ、原子炉領域の解体などは11年度から約7年かけて撤去し、完了は18年3月の予定となっている。

クリアランス制度は原子炉等規制法の改正(05年12月施行)で導入され、「放射性物質として扱う必要がないもの」の取扱方法が定められた。核種毎に放射能濃度を測定・評価した値が基準値以下で、国がその測定・評価結果を妥当なものと確認すれば、再利用したり、処分することができるように制度が整備された。

同発電所の廃止措置では、解体廃棄物として低レベル放射性廃棄物が約2万3,200トン(約12%)、クリアランス対象物のうち金属が約4,900トン、コンクリート他が約3万5,400トンの計約4万300トン(21%)、放射性廃棄物でない廃棄物約12万8,700トン(約67%)の合計19万2,200トンが発生する。今回はこのうちの金属の約41%が申請対象。

測定はコバルト60、セシウム123、同137、炭素14など11核種の放射能濃度の測定・評価を行う。専用容器に1トン以内の対象物を収納し、専用の測定装置(=写真)でガンマ線を測定する。炭素14はサンプル分析する。


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