[原子力産業新聞] 2006年6月8日 第2334号 <2面>

「もんじゅ」燃料取替へ 長期停止でプル量が減少

総合資源エネルギー調査会のもんじゅ安全性確認検討会(主査=大橋弘忠・東京大学院工学系研究科教授)は5月25日、前回会合に引き続き「もんじゅ」の燃料健全性確認について審議、日本原子力研究開発機構より運転再開後の性能試験に向けた燃料取替計画の報告を受けた。プラントの長期停止に伴う燃料組成変化を考慮し、運転に必要な反応度回復を図るよう、プラント状態に応じ3段階の燃料取替を行う。

原子力機構は、「もんじゅ」の燃料組成変化による炉心の反応度低下を補うため燃料取替の必要があるとし検討を行った。事故後、Pu241(半減期約14年)が核分裂性ではないAm241に自然崩壊し、現時点でAm241がPu241をやや上回る組成となっている。そのため、アメリシウムを含む燃料の物性への影響を評価し、測定結果から、アメリシウムはウランやプルトニウムに比較して酸化物の融点が下がるものの、アメリシウムを含有しても、燃料最高温度制限値の妥当性のほか、結晶構造の乱れに伴う熱伝導度の低下がほとんどないことが確認できる見通しとなった。

また、性能試験では、安全を最優先とし、プラント状態、炉心構成の特徴を踏まえた試験を追加することで、プラント性能・機能を段階的に確認し、点検・調整期間を考慮した計画とする。

具体的には、起動後、炉心確認試験、40%プラント出力確認試験、出力上昇試験とステップを踏み、これら運転段階に応じて3段階の燃料取替を行うこととした。性能試験とは、軽水炉でいう試運転に相当する。


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