[原子力産業新聞] 2006年6月15日 第2335号 <1面>

科技白書を閣議決定 少子化と科技の役割

政府は2日、05年度「科学技術の振興に関する年次報告」(科学技術白書)を閣議決定した。

今回は、第1部に「未来社会に向けた挑戦──少子高齢社会における科学技術の役割」と題し、諸外国に先立って人口減少・少子高齢化に直面しているわが国が、人口構造の変化に伴う多様な課題に対応しつつ、活力ある豊かな社会を構築していくため科学技術の果たす役割を考察している。

冒頭、本書は、高齢化の要因である寿命の伸びも、科学技術の一成果とした上で、わが国の人口が減少に転じるという大きな転換期に際し、「科学技術のみでできることは限られるが、解決に向けて、科学技術も重要な一翼を担いうる」と述べ議論を切り出している。

人材について、少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれる中、2030年に研究者が約16万人、技術者が約109万人不足するという予測を示し、社会ニーズに応じた多様な科学技術関係の人材の質・量を養成、確保していくとともに、年齢、性別、国籍などにかかわらず、能力を十分に発揮できる環境づくりの必要性を訴えている。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.