[原子力産業新聞] 2006年6月22日 第2336号 <2面>

電源交付金の活用も 研究所等廃棄物処分で検討
文科省 部会で報告書骨子案

文部科学省のRI・研究所等廃棄物作業部会は16日、第9回会合を開催、同委員会報告書の骨子案を審議した。

案は議論を重ねてきた処分事業の実施体制、処分費用の確保施策とともに、今回会合で議論した国民の理解増進及び処分施設立地地域との共生方策、安全規制、研究開発などの各課題に対する基本方針を示したもの。

処分事業の実施体制は原子力機構が関係者と協力して廃棄物全体について推進するとし、必要な費用は発生者が外部機関に資金を積立てる制度を整備する。

共生方策は、処分事業者が関係者の協力を得て検討・実施するとともに、国もこれと連携して地域共生に向けた取組みを実施するとしている。この際、原子力発電と密接に関連する研究施設からの放射性廃棄物もあるため、電源三法交付金制度を活用することも検討するとした。

安全規制では、原子炉等規制法と放射線障害防止法の二重規制を受ける廃棄物への対応が課題になるが、原子力安全委員会は今年4月に核種および放射能量を把握すれば同一処分場での埋設は可能、との考え方を示しており、この把握に必要な情報が確実に規制当局に提供されるべきとした。

委員からは報告書に各施策のタイムスケジュールを入れるべきではないか、処分事業資金ならびに処理・処分技術の研究開発資金への国の関与をより明確に、クリアランス制度との関係を盛り込むべき、などの意見が出された。


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