[原子力産業新聞] 2006年6月22日 第2336号 <3面> |
脱原子力政策の撤回で合意 スウェーデン野党4党 今秋総選挙スウェーデンの野党4党(中央党、穏健党、自由党、キリスト教民主党)は14日、エネルギー政策で合意。今年9月の総選挙に勝利し、連立政権を組んだ場合、同国の脱原子力政策を撤回することを確認した。 同日発表された合意文書によると、4党は政治的理由で原子力発電所は閉鎖しないことを宣言。ただし新規原子力発電所の建設については、政権期間中の4年間は認めないとした。 少数与党である社会民主党政権はこれまで、左翼党、中央党、緑の党と協力し脱原子力政策を推し進め、バーセベック原子力発電所を強制閉鎖した。特に中央党は1976年の総選挙直前に原子力発電が政治問題化するきっかけを作った党であり、長年、反原子力の姿勢を鮮明にしてきた。 しかし中央党のオロフソン党首が昨年2月、「バーセベック発電所以外の原子力発電所は、安全上の問題がない限り運転を継続すべき」との認識を示し、脱原子力政策の転換を示唆。穏健党、自由党、キリスト教民主党の中道・右派の野党3党は、脱原子力政策に反対してきており、今回の4党合意により中央党を含む中道・右派連合が、総選挙の結果次第では政権の座につく可能性が現実味を帯びてきている。 なお野党4党は、原子力発電所の新規建設やバーセベック発電所の運転再開は認めないとしながらも、そのほかの原子力発電所の出力増強は認める方針だ。 |