[原子力産業新聞] 2006年6月29日 第2337号 <2面>

文科省・原子力研究開発委 4作業部会の審議内容を取りまとめ 研究開発の推進方策示す

文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会(主査=田中知・東大院教授)は23日、第18回会合を開催、同委員会の報告書「原子力に関する研究開発の推進方策(案)」を取りまとめた。原子力研究開発、RI・研究所等廃棄物、核融合研究、量子ビーム研究開発の4つの作業部会での審議内容を踏まえ各分野の方策を示した。

方策案は、@基本的考え方A原子力研究開発の推進B原子力の研究、開発及び利用に関する基盤的活動の強化―により構成。研究開発の推進ではFBRサイクル技術、核融合、高温ガス炉等の革新的技術、量子ビーム、高レベル廃棄物の地層処分――などについて、基盤的活動の強化では安全の確保、放射性廃棄物の処分事業の進め方、人材の育成・確保などについて各方策をまとめた。

この内、FBRは国際動向も踏まえて50年より前の技術確立を目指し、実証施設の運転開始時期を25年頃とし、研究開発の加速が必要と提起。現時点の知見で、実現可能性が高いナトリウム冷却炉に先進湿式法と簡素化ペレット法の組合わせをベースに、15年までの進め方を検討すべきとした。また10年頃までに実用施設に採用予定の革新技術について技術的成立性を確認すべきとしている。

核融合ではITER建設のための我が国分担分の機器調達準備を進めるとともに、ITER機構への人員派遣など支援。高温ガス炉は10年頃までに950度Cで連続運転しISプロセスを確証、実用化像を確定する。

基盤的活動ではRI・研究所等廃棄物の処分事業について、日本原子力研究開発機構が国や事業者と協力して推進するとし、発生者が処分費用を確保するための制度を整備する。


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