[原子力産業新聞] 2006年6月29日 第2337号 <3面> |
スイス ミューレベルク原子力発電所 連邦政府 運転期限設定方針は変えずスイス連邦環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)は14日、ミューレベルク原子力発電所(=写真 BWR、37万2,000kW)に対する運転期限の撤廃を拒否した。ただしUVEKは「手続き上の不手際」を理由に挙げており、再申請すれば認められる可能性が高い。 ミューレベルク発電所を所有・運転するBKW社は昨年2月、「同発電所に対する運転期限の設定は技術的見地からも法的見地からも正当性がない」として、無期限の運転認可発給を求めていた。 スイスの原子力発電所の運転認可は、安全上問題がない限り、期限を特に定めていない。しかし同発電所は非常用炉心冷却装置(ECCS)に問題を抱えた時期があったため、運転認可が2012年までと規定されている。 スイスではベツナウ2号機(PWR、38万kW)もミューレベルク発電所と同じ理由から、2004年末に運転認可が失効する予定だったが、原子力安全検査局(HSK)の承認を受け連邦政府が2004年12月、無期限の運転認可更新を認めた経緯がある。 今回UVEKは、「ベツナウ2号機のケースと同様の検討を行ったが、BKW社の申請には地域住民の意見が取り入れられていない」と、手続き上の問題であることを強調。BKW社の再申請は受け入れるとの見解を示している。 |