[原子力産業新聞] 2006年6月29日 第2337号 <3面>

オーストラリア 原子力タスクフォースを設置

オーストラリアのハワード首相は6日、同国の長期エネルギー戦略を見据え、ウラン生産から原子力発電、核燃料サイクルまで総合的に検討するタスクフォースの設置を発表した。報告書案を11月までに作成し、国民各層から意見を募集、年内に最終報告書を作成する予定だ。

検討する事項は@原子力発電導入がオーストラリアにもたらす影響や、オーストラリアの技術能力Aウランの生産量・輸出量の拡大の可能性Bオーストラリアがウラン濃縮・燃料製造・再処理を実施できる可能性C次世代原子力発電所の安全性D放射性廃棄物の処分や貯蔵問題――など。

首相の発表を受けて実施された最新の世論調査によると、49%が原子力発電の導入に賛成し、反対(37%)を上回っているが、放射性廃棄物の発生に懸念を示す声は87%にものぼっている。一方、ウラン生産・輸出の拡大については54%が賛成し、反対は36%にとどまった。


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