[原子力産業新聞] 2006年7月6日 第2338号 <1面>

報告書案を審議 原子力委食品照射部会

原子力委員会の食品照射専門部会は6月28日、第8回会合を開催、報告書「食品への放射線照射について(素案)」を審議した。概ね了承され、今月13日の会合で最終的に取りまとめる予定。

素案は前会合で審議した骨子を肉付けしたもの。現状、有用性、健全性、検知技術、照射施設の安全性、まとめなどの各章で構成。有用性が認められる食品では、食品衛生法及び食品安全基本法に基づく評価と検討が食品衛生確保などの観点から有意義と指摘。具体的にはまず香辛料の評価と検討が妥当で、その他の食品も社会動向などを踏まえ適宜、検討することを期待するとした。

議論が多かった照射表示の問題は、現行の表示義務の継続を必要とするが、消費者の視点で照射も含め、食品表示のあり方を総合的に検討すべきと提起。また我が国でも公定検知法の早期確立が重要であり、社会的受容性向上では、関係者はそれぞれの立場で積極的な広聴・広報の努力が重要とし、放射線の基本的教育の重要性も指摘した。

委員からは、「消費者の選択を担保する必要性の記述が必要」などの意見が出された。


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