[原子力産業新聞] 2006年7月6日 第2338号 <2面> |
原産協会 地域リーダーと対話 高レベル処分場理解で日本原子力産業協会は今年度から、新たな事業として高レベル放射性廃棄物の処分場に対する理解促進を図るため、全国各地の地域オピニオンリーダーたちとの対話活動を強化する。 六ヶ所再処理工場が使用済み燃料を使った試験運転を順調に続ける中、燃料サイクルの確立に向けた最大課題は高レベル廃棄物の最終処分場の受入れサイトの獲得。現在、処分実施主体の原子力発電環境整備機構が市町村単位の公募で、まず概要調査地区としての候補地選定の作業を進めているが、原産協会としては公益法人として実施主体とは別に、立地とは切り離す形で理解促進活動を幅広く積極展開するもの。 原産協会が新しい行動様式「戦略的に行動する団体」として活動するに当たって、@対話活動の重要性の再認識A専門家と一般市民との認識のギャップを埋めること――を重点に、「地層処分は安全とする専門家の技術的根拠を、人々が地層処分はそんなに心配したものではないと考える安心に変える」環境づくりをめざす。具体的には一般の人びとが参加しやすく、丁重な対話が可能なフェイス・ツー・フェイス の対話が可能な20人程度による少人数対話集会を実施する。 今年度の活動では、30回程度の対話集会を計画しており、地方の原子力懇談会や原子力協議会の協力を得て進めるほか、全国に散らばるエネルギー等を考えるグループとの対話についても視野に入れ活動を行う方針だ。このため、エネルギー問題に関心を持つ消費生活アドバイザーで構成する「あすかエネルギーフォーラム」(秋庭悦子理事長)が6月中旬に東京で開いた第3期オピニオンリーダー養成講座(9団体が出席)で、原産協会が行う対話集会への参加を呼びかけた。 昨年度は試行的にエネルギー、地層処分を中心に対話を6回行ってきたが、今年度はエネルギー、地層処分の対話の他、原産協会と地域のグループとの有り方等についても意見交換を行い、原産協会と地域とのよりよい関係を模索することもねらっている。 |