[原子力産業新聞] 2006年7月13日 第2339号 <4面>

ガンを無造影3次元観察 高エネ研など

筑波大学、日立製作所、アステラス製薬、高エネルギー加速器研究機構はこのほど共同でウィグラー放射光を使用した高感度X線CTにより、疾患モデル動物のがんやアルツハイマー脳を無造影で3次元観察することに成功した。

このCTは日立と高エネ研が共同開発してきた「結晶分離型・位相コントラストX線撮像技術」。X線の位相変化から画像を得るには干渉計を使用するが、同技術は干渉計を2つに分離、再び高い精度で角度合わせし高感度画像を得る。

従来のX線より約1,000倍高い密度分解能、広い観察視野60×30mm、高い空間分解能50μmを達成。抗がん剤を投与したマウスの大腸がんの中心部が壊死により低密度化する様子を3次元で観察した。

またアルツハイマー病モデルマウスの脳標本内に斑点状に蓄積したアミロイド斑も観察し、Aβ40という特定アミロイド蛋白質の分布との一致を確認した。


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