[原子力産業新聞] 2006年7月20日 第2340号 <1面> |
六ヶ所再処理施設 アクティブ試験は第2ステップへ サイクル安全小委が報告書を了承総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の核燃料サイクル安全小委員会は14日、日本原燃の六ヶ所再処理施設(=写真)アクティブ試験中間報告書(第1ステップ分)に関する原子力安全・保安院の確認結果案を審議した。保安院は各種性能、不適合やトラブルなどへの対策など報告書の内容を妥当と評価、小委員会もこれを了承した。 保安院の薦田康久審議官は同日、青森県の三村申吾知事に確認結果や審議結果を報告。日本原燃の兒島伊佐美社長も同日、三村知事を訪ね、体内被ばくに関するトラブルを陳謝し、再発防止策などを説明した。 日本原燃は第1ステップの試験で線量当量率や空気中放射性物質濃度、溶解性能、核分裂生成物の分離性能、プルトニウムの分配性能や逆抽出性能、環境への放出放射能量などについて、全て基準以下や目標値以上であることを確認した。また、作業員の内部被ばくに係わる事象を含む6件の不適合・トラブルの是正措置では、同事象を除き是正処置を完了。同事象については第2ステップ開始までに、作業方法の改善、測定機器の拡充、技術・技能認定制度の充実などを実施するとした。 同社は今月7日に報告書を提出したが、六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会などの意見を踏まえ、12日に同事象に係わる是正処置を充実した補正版を提出した。 小委員会の了承により、国としては第2ステップへの移行を認めたことになる。このため日本原燃は内部被ばく事象の改善策を実施した上で、同ステップを開始する見通し。 第1ステップではPWR使用済燃料約30トンを使用し前処理、分離、精製などの建屋で各種試験を実施したが、第2ステップではBWR使用済燃料も含め約60トンを使用し、ウラン脱硝、ウラン・プルトニウム混合脱硝などの建屋でも試験を開始する。 |