[原子力産業新聞] 2006年7月20日 第2340号 <2面>

ICRP新勧告で意見交換 東京でNEA主催

OECD/NEAの主催する「放射線防護体系の進展に関するアジア会合」が5、6日、ホテルグランドパレス(東京・千代田区)で開かれ、国際放射線防護委員会(ICRP)の新勧告草案について、日本、韓国、オーストラリア、中国、インドネシアの放射線防護の専門家、安全規制当局者らが意見交換を行った。

ICRP勧告は、各国、国際機関の規範や規制の基礎となる放射線防護の原則で、わが国でも関係法令に取り入れられており、最新勧告を巡る議論は、R.クラーク前委員長が国際放射線防護学会大会(00年、広島)で行った線量に関する講演に始まったもので、IAEA会議(03年、カナリア諸島)での概要議論などを経て、同学会大会(04年、マドリード)で案文が公表された。

今回、02年の初回から数え3回目となる本アジア会合では、L.E.ホルムICRP委員長(=写真)より、複雑になり過ぎた放射線防護体系を単純化するといった新勧告の方向性などが示された。これに対して、日本の原子力安全委員会、文部科学省他、各国の規制機関より見解が述べられた。またわが国の原子力産業界、専門家からの意見として、電気事業連合会、日本保健物理学会がそれぞれ新勧告案への考えを示している。

同勧告草案は現在、ウェブ上での意見募集が行われており、今後は米国での意見交換、今秋のICRP主委員会などを経て、来年にも最新版が公表される予定だ。


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